今回は販売店として植物の商品管理に対する再認識や意識を高める意味も込めて、管理方法についての注意点や気をつけるべきポイントをまとめてみました。
植物の間隔について
市場などから植物を仕入れるとトレーに入っていると思います。
トレーのまま管理していたりしませんか?
入荷状態のまま管理をすると植物の状態が悪くなるのでおすすめしません。


写真のように入荷状態のまま陳列せず、早い段階で広く間隔をあけて管理するようにしてください。
ぎゅうぎゅうに詰まった状態で管理すると植物同士の葉で光が当たらない箇所が出て間伸びをしたり、空気が通らないのでムレて枯れてしまう事もあります。
しっかりと間隔をあけて管理してください。


トレーのまま管理する場合もありますが、もしも植物が売れて偏った配置になっている場合は配置を正して管理しましょう。
これだけでも光がよく当たり、風通しが良くなるので良い状態を維持できます。


ツル性の植物は入荷時に上に重なっている場合があります。
そのまま放置するとムレの原因に・・・。
解いて風通しを良くし、しっかりと光を当ててあげましょう。
明るさについて

植物が間伸びをしている場合は光を求めて縦に伸びて成長しているため、その植物にとって光が足りていないということになります。
販売の観点から間伸びした植物は商品価値が下がってしまうので、そうなる前に明るい場所で管理するようにしてください。
多肉植物以外にも、ほとんどの植物は「暗い環境」よりも「明るい環境」の方がイキイキとして形も良くなる事をしっかり意識しましょう。
育成ライト

植物を管理している場所が明るければ良いですが、暗い場合も多いのではないでしょうか?
暗い場所で管理をしていると斑が消えたり下葉が黄色くなるなどの問題が発生してきます。
販売目線でみれば結果的に商品価値を下げてしまいますので、対策として「育成ライト」を活用する事をおすすめします。
店舗では育成ライトで管理しており、多少経費はかかりますが、かなり良好な状態を維持する事が立証できています。


せっかく育成ライトを使用していても、段のある棚などで管理している場合は影で植物に光が当たっていない場合があります。
特に下段はトレーなどの影になってしまう事が多いです。
影になっていたら位置を移動するなど光が当たる工夫をしてあげましょう。
こういった細かい事が良い状態を維持するためには必要な事です。
直射日光
観葉植物の場合、基本的には直射日光に当ててしまうと葉焼けを起こしてしまう事が多いです。
入荷時に直射日光が当たる場所に置いてしまう事がありますが、日照耐性のない植物は、数時間でも直射日光に当ててしまうと葉焼けを起こしてしまいます。
入荷時は油断しがちなので、葉焼けにご注意ください。
直射日光が必要なケース

室内園芸向き植物は基本的には直射日光を当てて管理するものが少ないですが、直射日光のような強い光で管理をしないと状態に変化が生じてしまう植物もあります。
特に黄色や赤色などの色をした植物は色褪せてくる事が多いです。
色彩を維持するために直射日光の当たる場所で管理する事が必要となる場合もあります。
暗い環境で管理すると色合いに変化を生じる事が多いので、明るさにご注意ください。
ただし、真夏の高温時や長時間当たる場所は避けた方が無難です。
急に直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまう事もあるので判断は難しいですが、店舗では色のあるサボテンなどは直射日光に当てて管理しています。
水やりについて
水やり管理では一遍等な管理方法ではなく、種類に応じて水やりの方法を変える必要があります。
一般的な水やり管理として「土が乾いたら水を与えてください。」というフレーズを良く耳にします。
数鉢程度の管理であればその管理方法でも通用するかもしれませんが、膨大な植物を管理していた場合はその通りにいかないケースも出てきます。
そのため、水やり管理では過去の記憶と経験が必要となってきます。

シダなどの観葉植物は水切れを起こすと葉が乾燥して元には戻りません。
「土が乾くまで待とう」と思い、水やりを遅らせたときに陥りやすいケースです。
こうなってしまっては本末転倒なので水切れに弱い植物は水やりのタイミングを早くしたり、水量を多めにするなどの対策が必要です。
多肉植物

多肉植物は水をあげなくても良いというイメージはありますが、葉にシワがよってしまっている場合は水分不足のサインです。
土が乾燥する前に水をあげる事は避けるべきですが、葉にシワが寄ってしまうほど水を切らさないようにしましょう。
植物をよく観察して植物が出すサインを見逃さない事が重要です。
水やり管理を失敗したら必ず覚えておき、過去の経験や記憶を生かして自分なりの水やり方法を模索してみてください。
また例外として「ユーフォルビア類」は多肉植物の中でも水を必要とするものが多いです。
受け皿の水について

室内で植物を管理する場合、受け皿を使用する事がありますが、鉢から排出された水が溜まってしまいます。
溜まった水をそのままにしていませんか?
水を溜めたままにしておくと根が成長する事できず株が弱っていき、水が腐り匂いも放ちますので良いことがありません。
受け皿に溜まった水は放置せずしっかりと捨てましょう。
湿度しつどについて
霧吹き
湿度を好む種類

観葉植物は湿度を好むものも多いです。
特に熱帯系の観葉植物は湿度あげると良質な状態を保つ事ができます。
手軽に湿度をあげる方法として霧吹き(葉水)があります。
※ただし、フィロデンドロンやモンステラなどの斑が入る種類に葉水を与えると、斑の部分に傷みが出る場合がありますのでご注意ください。


観葉植物を長く管理していると写真のように白く葉がかすれたような跡が表れる時があります。
ハダニによる食害になりますが、室内が乾燥するとハダニが発生しやすくなります。
定期的に噴霧を行う事でハダニの発生を抑える事ができます。
ハダニは葉の裏に多く潜むので、葉裏をしっかりチェックしましょう。
霧吹きは水滴が滴るほど多めにムラなく噴霧する事がポイントです。
中途半端な霧吹きではハダニの増殖を防ぐ事は難しいです。
湿度を嫌う植物
逆に霧吹きNGな植物は多肉植物です。
高温時に霧吹きを行うと葉傷みが発生したり、場合によってはムレで枯れてしまう事もあります。
また、多肉植物の水やりでは葉に水を当てないよう気をつけ、なるべく土に与えるように心がけてください。
葉に水がかかってしまった場合、上部に水を溜めたままにしていると葉に傷みが出てしまうので取り除いた方が無難です。
涼しい時期は良いのですが高温時は特にご注意ください。

メンテナンスについて

植物を管理していると一部の葉が黄色くなっていたり、下葉が枯れたりします。
このような葉を発見した場合は取り除いてください。
枯れた葉を放置すると株に悪いダメージを与えたり、害虫の巣になってしまう事があります。
水やりをしている時に同時にチェックとメンテナンスを行う事でやり逃しを減らす事ができます。
植物管理は単純なようで、考えながら行動をすると時間もかかり実は忙しいのです。
空気の循環について

空気を循環させるにはサーキュレーターを使うことを推奨されていますが、使い方によっては植物に悪い影響が出てしまう場合があります。
上記でもお伝えしたように水を切らしてしまうと葉が元に戻らなくなってしまう植物もあります。
実は風が常に植物に当たっていると簡単に水切れ起こしてしまいます。
風は蒸散力が強まりますので、こまめに水切れチェックができない場合は直接風を当てることは避けた方が良いでしょう。

サーキュレーターを利用する考え方としては室内全体の空気の流れを作ってあげるイメージが理想的です。
そのためには1台のサーキュレーターでは賄えない場合もあります。
もしもサーキュレーターの設置が難しい場合は窓を空けて空気の流れるだけでも効果的です。
エアコンについて
暑さが苦手な植物や寒さが苦手な植物もさまざまです。
熱帯夜のような日が続いた日のあとにムレて腐っていたり、寒さによって傷みがでてしまう事がありました。
室内の乾燥が懸念されますが、時期に合わせてエアコンなどで温度調節を行う場合があります。
エアコンの風が植物に当たっていると成長を阻害したり、場合によって枯れてしまうなど悪い影響が出るので注意しましょう。
用土について
植物を入荷した段階で既に土が足りていない事があります。
土が減っている場合は土を足してあげてください。
その時に一緒に追肥もしてあげれば、お客様の元へ渡ってもイキイキとしてくれるはずです。
害虫について
室内で植物を管理していると虫が発生しまう事も多いです。
発生した害虫を放置すると室内の植物に移って全体に広がってしまうので早めに駆除をしなければなりません。
場合によっては殺虫剤を使用する必要もあります。
最近では殺虫剤入りの肥料があり、多少コストは掛かりますが、店舗では入荷時に散布するようにしています。
害虫が出るのを抑える工夫をしています。
薬品を散布する場合は人体に影響があるので室内で散布しないようにしましょう。

最後に
今までたくさんの植物を管理をしてきましたが、今だに枯らしてしまう事があります。
私が会社へ入社したての頃「水くれ(水やり)ができるようになるまでには10年かかる」と言われました。
今になってみれば、この言葉の重みが分かる気がします。
それだけ植物の種類も多く、植物の種類だけ水やりの方法が違うからです。
水やりだけでなく、植物管理ともなれば、もっと大きな視点で考えなければなりません。
植物への関心や興味をいだき、観察力と自分が行った管理の後追いが必要不可欠です。
奥が深いので失敗してしまう事もありますが、培った経験を元に日々向上していきたいと思います。

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